総務省は9月28日、次世代通信方式「5G」の利用ニーズ調査をまとめた。
携帯電話会社は新規参入の楽天グループを含む4社が全国展開する計画を提示した。
超高速通信など一部サービスは2019年の開始を目指す。このほかケーブルテレビ会社やパナソニックも計画を示した。
5Gの活用を日本経済の成長につなげるため、総務省は10月から優れた事業アイデアを広く募り、実現させる取り組みも始める。
5Gは現在の携帯と比べて最高伝送速度が100倍。2時間の映画を3秒でダウンロードできる超高速大容量通信が実現する。通信のタイムラグも10分の1の1ミリ秒程度となり、機械の遠隔操作なども違和感がほぼ消えて滑らかになる。
ニーズ調査は申請や審査に先だって、周波数配分の方法や条件などを検討するために8月末から実施した。使いたい周波数の帯域(範囲)やサービスを提供するエリア、想定する用途などを幅広く回答してもらった。
実際に実用化できる事業者やサービスは年度末の割り当てで決まる。
携帯会社はNTTドコモとKDDI、ソフトバンクの3陣営に加えて、4月に新規参入が決まった楽天グループも全国展開の計画を提出した。ドコモは2020年東京五輪・パラリンピックに向けて商用サービスを開始する考えで、コンサートやスポーツを遠隔からでも臨場感たっぷりに楽しめるサービスや遠隔医療、災害復旧ロボットといった用途を例に挙げた。
KDDIは2019年から一部エリアで大容量通信を提供する。五輪では無人飛行機(ドローン)による警備などに活用することを想定。自動運転などへの活用も計画する。ソフトバンクも19年から段階的にサービスを拡大する方針。多数のセンサーによるダムなどのインフラ監視、工事現場の遠隔操作などを検討する。
新規参入の楽天は2020年度を目標に、あらゆるモノがネットにつながるIoTなどに使う考えを示した。
様々な特長を持つ5Gは携帯通信にとどまらず産業や生活全般に浸透するとも期待される。このため総務省は携帯会社以外の事業者にも電波を割り当てる方針だ。
今回の調査では携帯会社以外の22社・グループが計画を示した。ケーブルテレビ会社が引き込み線を高速無線にする要望が多い。教育や鳥獣害対策など多様な分野のニーズも浮上した。
パナソニックは21年までに企業内の産業用の通信システムを構築する計画だ。さらに地方で、大容量通信で農林水産業をこなすロボットなどのアイデアも掲げた。
今回の調査はあくまで各社の参入希望や構想。実際に電波を割り当てる審査では、計画の実現可能性が焦点になる。例えば想定するサービスの提供に必要なだけの基地局などの設備投資ができるかどうかも問われる。
また今回の調査に応じていない企業や自治体でも電波利用を申請できる。5Gの特長を生かす事業者がどれだけ集まるかが課題になりそうだ。
このため総務省は5Gの用途の開拓や市場の創出に向けたアイデアコンテストを開く。地域住民や中小企業、地方自治体など現場のニーズを発掘する狙いで10月から募集を開始。地方での一次選考を経て、2019年1月をメドに最終審査する。優れた案は大手携帯電話会社などと進める実証研究に採用する。
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